普通の人間にすらなれなかったお荷物ビジネスパーソン日記

「普通」の人間にすらなれなかったお荷物会社員の日々 / いわゆる「氷河期世代」 / 惨めに野垂れ死にたくない

「最近の若者は出世したがらない」というバズフレーズ

 雑誌や文章を売って商売する人たちは十年一日の内容の話題を延々と再利用している。それがお金になるんだから再利用もするよ、楽だし。ここでは日経なんちゃらとかなんちゃら東洋経済とかは絶対に書かないような真実を書く。

 さて、「最近の若者は出世したがらない」という話。企業は総人件費を減らすことでしか利益が出せない無能経営者の甘えが浸透してきて今後ますます浸透していくとかの事情はあるにせよ、基本的に「若い人はそういうことを考えがち」でしかない。

 若いうちはいいように使われて高負荷長時間労働を余儀なくされて、それでいて給料は「若いから」安い。「それが当たり前だ」であった。そんな環境にいたら未来に夢なんて持てないし「この生活があと40年続くんか?やってらんねー」となるのは当然*1

 今は労働時間制限やハラスメントに当たり前の対応がされるようになる傾向があるが、それでも若い人から見える事情はそんなに変わらない。

 自分の頃は、追い詰められて相談に行っても「みんな大変なんだから」で終わりだったしハラスメント恫喝脅迫は当たり前で、そんなことで精神病院行きになるほうが「使えないゴミ」であった*2精神疾患になった被害者が会社の保健師から罵声を浴びせられる世界。

 そういう世界にいると「真面目に仕事をやるなんてバカなのでは?」「仕事なんか真面目にせずに窓際あるいは社内ニート*3で給料掠め取る万年ヒラが一番コスパいいのでは?」という方向に動機づけられて、そしてだいたいそんな感じのサラリーマン人生になってしまった。

 また、追い込まれて精神疾患になると十年単位でそれを引きずるしヘタすると一生を棒に振ることになることも理解した*4

 さて、「真面目に仕事をやるなんてバカなのでは?」「仕事なんか真面目にせずに窓際あるいは社内ニートで給料掠め取る万年ヒラが一番コスパいいのでは?」というのは正しかったりそうでなかったりする。仕事を真面目にやるなんてバカなんだが、「真面目にやってる感」を取り繕うことはできるならやっておいたほうがいい。「やってるフリ」「やってる感」は大事でそれはあなたの評価(≒収入)を下げ止めてくれる。

 今の若い人たち(特に精神疾患リスクの高い人たち)にとって大変なのは、年功序列の部分が今後ますます無くなっていくこと。「やってる感」さえ出しておけば昔なら課長程度にはなれた、今も係長程度にならなんとか、でもこの先は…??という話。

 「仕事なんて真面目にしなくていいんだやってる感だしときゃいいんだ、仕事をやってるかやってないかなんて、わかりやすく露骨にサボっているのでもない限りそれを判断できる上司なんかいない*5んだから。普通・人並みを偽装できれば良い」というのは今後ますます通じなくなってくる。「若い時の辛い理不尽な体験の対価は40代以降に回収できるから!だから”やってる感”だけは忘れるなよ!真面目に仕事やるのはバカだけど露骨にサボるなよ!”やってる感”でいいんだから!」というアドバイスがいつまで有効なのかわからない。

 若い人にとっても、そうでない人にとっても大変な世の中になっていく。まあ、人間は「動機づけられた通りの人間になる」ということを忘れてはいけない。「出世してもコスパタイパが悪い」と考える人がいたとして、その人がそうなったのはそう動機づけられたからなのだ。

*1:ここに精神疾患イベントが入ってくるともう最悪。

*2:露骨に口に出す輩はそんなにはいなかったが、口調や顔に露骨にです。社会の状況はそんなだった。

*3:なんて言葉は当時無かったが

*4:これは単純な事実なんだが、こんな事実なんて理解しない方があなたのQOL的には絶対良いということは言っておく。「精神疾患なんて甘え」というファンタジーを一生信じていられるほうが絶対あなたのQOLは高いしそのまま一生を終えられるならあなたにとって最高である、部下や家族など周囲の人にとってどうかは知らないが

*5:勘違いしている人は多いが、本当にいない。